【経済学】ゲームから学ぶ行動経済学

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現在に至るまでアプリ、ソフトで様々なゲームが発売されてきました。

内容もさることながらユーザーの遊び方や、メーカーの集金システムも変化しております。

そこで、現在のメーカーによるイベントや課金システムは何に基づいて打ち出されているのか、行動経済学の視点から見ていきたいと思います。

これを知るとあなたも今日から課金に対するイメージが変わるかもしてません。

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行動経済学とは?

2017年にシカゴ大学のリチャードセイラーがノーベル経済学賞を受賞したことによって広まった学問です。

知名度が広まってからまだまだ新しい学問といえます。

経済学との違い

ペア, 男, 女性, ディスカッション, 違い, 関係, 参照, リンク, 依存関係, 接続, 相関関係

経済学は、人間は自らの利益を最優先し、その利益が得られるよう合理的な行動をとるとされてきました。

しかしそうとも言い切れず人間の心理面まで含めた非合理性を含めて考えたのが行動経済学となります。

例えば、以下のような例を考えます。


ケース1)Aは1万円、B・C・Dは2万円を貰える仕事

ケース2)Aは9000円、B・C・Dは8000円貰える仕事


ケース1もケース2も同じ仕事、ABCDはみな同じ仕事をするとします。

経済学に基づいて考えるとAはケース1を選ぶはずです。

しかし、実際はケース2を選ぶ人もいるでしょう。

自己の利益が少し下がったとしても他より貰っていることに満足ができるということです。

または、他人が自分より貰っていることが不快に感じるがゆえに2を選ぶ人もいるでしょう。

このように自己の利益が最大になるのが人間であるのであればケース2を選ぶ人はいないにも関わらず、心理的な要素によって非合理的な判断をしてしまうわけです。

これを含めて経済を考察したのが行動経済学というわけですね。

行動経済学が日常に取り入れられている具体例

3つ紹介させてもらおうと思います。

<所有バイアス>

1か月お試し、試着サービスなど1度でも試させることによって人の所有意識を高め、購入につなげるというものです。

ネットや通販でよく見ますよね。

「1か月お試しいただき満足いただけなければ全額返金!!」

1度でも所有すると人はそれを持ち続けたいという意欲が高くなり、結果として販売している側は売り上げアップにつながるわけです。

経済学で考えると使われた後に返品されると損なので絶対に取らない手段なはずです。

<ナッジ>

ナッジ(nudge)とは、「ヒジで軽く突く」という意味です。

肘で突くような、ほんの小さなアプローチにより科学的根拠に基づいて人間の行動を変えさせるというものです。

これは日常で本当に多く取り入れられています。

例えば、男子トイレの便器に的やハエのシールを貼っておくと無意識にそこを狙ってしまう。結果トイレの掃除が楽になった。


スーパーの陳列では利益率の高い商品を目の高さに並べることで購入につながり、利益が上がった。


放置自転車の多い場所に「ここは自転車捨て場です」と書かれた張り紙をすることで放置自転車がゼロに。捨てられるかもしれないという不安を刺激した結果。


税金の滞納者に「ほとんどの人が期限内に納税しています」と手紙をすることで期限内の納税率がアップ。社会的圧力を感じたための結果。


このように「買ってね!」「放置するな!」など積極的にアピールするのではなく、小さなアクションにより人間が心理的に行動を変えてしまうような行動をすることこそナッジになります。

<フレーミング効果>

これは同じことを言ってもその表現のされ方によって行動が変わってしまう心理を狙った効果です。

有名な例としてアジア疾患問題というものがあります。

感染症対策として2つの選択肢があるとします。

A:600人のうち200人が助かる

B:600人のうち400人が死ぬ

これはどちらも同じことを言っていますが、どちらの対策がいいか選んでもらった結果

Aが72%

Bが28%

と圧倒的な差が出ました。

また、別のケースで

A:400人が死ぬ

B:1/3で全員助かるが2/3で600人全員が死ぬ

という選択肢があった時、結果として

Aが28%

Bが72%

選ばれるという結果になりました。

このように人間は「ポジティブな表現」「損をしないこと」を好む傾向があるとわかりました。

人間の心理として

確実なことが好き

損をする、失うことが嫌いである

ということがわかります。

日常でも多く取り入れられています。

「おにぎり100円セール」

「おにぎり10円引き」

110円のおにぎりだった場合どちらも値引きは変わりませんが100円セールの方がお得な気がしませんか?

実際コンビニで取り入れられているのも100円セールです。

フレーミング効果により、人間の心理的に好みそうな表現に変え、行動を変えさせるのです。

結果、販売であれば売り上げアップにつながります。

ゲームに存在する行動経済学

ここまで行動経済がどのようなものか説明してきました。

それでは実際ゲームではどのように人間の心理を巧みに操り、動かされているのか見ていきましょう。

サンクコスト理論

そんなに面白くなくても続けてしまうソシャゲ、出るまで引いてしまうガチャ。

これも立派に行動経済学によって定義されています。

サンクコスト理論といいます。

サンクコストとは取り戻せない埋没利益のことを指します。

今まで費やしたお金や時間、労力が無駄になると思いやめられなくなるわけです。

そのお金や時間があれば違うことができたが、ゲームをやめることでそれが無駄になってしまうことに気付くのを恐れている心理からくるものです。

損失機会先送りともいわれます。

ゲームだけでなく、ギャンブルにつぎ込んでしまう人にも当てはまります。

「今やめると使ったお金が無駄になる・・・」という思いから狙ったキャラがでるまでつぎ込んでしまう、なんてこともよく耳にするようになりましたね。

そうやって人間の心理をうまく利用してガチャやイベントが行われているわけです。

ユーザーにサンクコスト理論が当てはまる状況を作ってしまえば長くお金や時間を使ってくれるといえますね。

では、メーカーはどのようなキャンペーンをするかというと・・・

初回限定!120円で100連ガチャ

新規ユーザー限定無料100連ガチャ

5日間ログインで最高レア度のキャラゲット

などになります。

120円でもお金を使ってしまうとアプリを消したりやめづらくなりますよね?

初回ガチャでいいキャラを手に入れてしまうと続けなきゃもったいない気がしますよね?

5日間も時間をつかった、最高レア度のキャラを手に入れ・・・以下略

このように初回の大盤振る舞いはサンクコスト理論を活用したユーザーを長く定着させるシステムの1つなわけです

人間の心理なので回避するのは難しいですが、特に陥りやすい人は最初に手を付けないことに限ります。

プロスペクト理論

ポケモンGOに代表される位置移動ゲームや放置ゲームなどついつい起動してしまうゲームが増えてきました。

実はそれも、行動経済学によって狙われた行為なのです。

プロスペクト理論といいます。

これは人は得をした時の喜びよりも、損をした時の悲しみの方が2倍も感じやすいという心理を突いたものになります。

先ほども述べたように人間は損をしたくない生き物なんですね。

ポケモンGOでは実際に歩いてポケモンを探します。

ここでポケモンGOユーザーはただ歩くことを無駄だと感じるようになるわけです。

「どうせ歩くならポケモンGOをしながら歩こう」

となるわけです。

ながらスマホやながら運転が減らないわけですね。

また放置ゲームという起動していない間も自動でゲームを進めてくれるゲームも増えてきましたが、実際そういったゲームもついつい起動してしまう人が多いです。

今から仕事で8時間見れないから今のうちに時間のかかるクエストをやらせておかないともったいないな」

とゲーム触れない時間を有効活用したいと考えるようになるわけですね。

できない時間でさえも活用しないともったいなく感じていくわけです。

人間の損したくない心理を突いた結果、それらのゲームは市民権を得るジャンルへと拡大していきました。

アンカリング理論

これはほぼ100%どのソシャゲにも取り入れられています。

なんなら据え置きのゲームにも言えます。

アンカー(錨)は船が動かないように沈める重りです。

アンカリングによって人間は最初に見たものを基準として価値判断をしていきます。

最初に課金石のダイヤ1000個で5000円という販売価格を見たとします。

その後、サマーパック!!ダイヤ1000個で3980円というものが出てくるとどうでしょう、お得に感じませんか?

実際普通に買うのに比べればお得なのですが、最初から1000個で3980円という値段設定を見ていても安いと感じるでしょうか?

おそらく重課金者でない限りはそう思わないでしょう。

このように最初に高い値段でユーザーにダイヤの価値にアンカーを打ち込んでそこを基準に割引し、安く見せ購入につなげさせるわけです。

テレビショッピングではお馴染みの手法ですね。

しかしわかっていても効果があるのが行動心理学というもの。

人間の心理なのであらがえないわけですね。

据え置きのゲームでも限定盤は9980円です!といわれると高く感じますが、その後に通常版は7980円です!といわれるとどうでしょう。

やっぱり高く感じませんか?

これは、据え置きのゲームのソフトなどユーザーがそもそもゲームソフトの値段にある程度アンカーを打ち込んであるので基準がぶれにくく、高いものを先に見せられてもその後の価値基準がぶれにくいからです。

じゃあ、ゲームソフトにはアンカリング理論が当てはまらないのか、というとそうでもないのです。

むしろ価値基準がはっきりしているからこそ活かせる販売方法があります。

追加ダウンロードコンテンツ(DLC)ってやつです。

新品ソフトの価値基準が5980円だとしましょう。

メーカーが1000円分の内容をあらかじめDLCで配信しようと思っていればゲームの値段を4980円にすることができますね。

つまり4980円で販売すると安いと感じさせることができるのです。

もちろんDLCにはアンカリング理論以外にも納期の問題や販売戦略など様々な理由があるでしょうが、増えている背景にはこのアンカリング理論も絡んでいることは間違いありません。

まとめ

今回ゲームや日常生活を通して、行動経済学を紹介してきました。

行動経済学の恐ろしいところは人間の心理に基づいているので回避しづらいということです。

また、積極的に行動変化を促す販売手法と違って、営業されていることに気づきにくいので不快感を感じません。

みなさんも買わせよう買わせようと営業されると自然と嫌な気持ちになって、結果買わないと判断することが多いと思います。

ゴリ押しされて、断り切れず買ってしまうこともあると思いますが、不満はのこりますよね。

しかし、行動経済学はこちらが自然と買いたくなるように、ちょっとした「きっかけ」を与えてくるだけなのです。

しかも最終的に自分の判断で決定するので満足しがちです。

そんなわけで多くの販売戦略において用いられています。

それがゲームの中にもしっかり反映されていることがわかってもらえたと思います。

自分が浪費がちだな、ついついソシャゲをやっちゃうな、と思っているのであれば思い切って断ち切ってみてください。

そうするより他はありません。

行動経済学を知って皆さんが正しい行動をできるようなきっかけになればいいなと思います!

今回はここまでです!

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